小児外科
基本情報
スタッフ紹介
スタッフ名 | 専門分野 | 認定医・専門医等 |
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小児外科 香川大学医学部卒業。初期研修、後期外科研修(千葉県こども病院等)修了後、香川大学小児外科助教を経て高松赤十字病院小児外科勤務。医学博士。 |
日本小児外科学会 専門医 日本外科学会 専門医・指導医 日本小児泌尿器科学会 専門医 卒後臨床研修指導医 |
概要
小児外科とは主に外科的治療を必要とする小児を対象としています。小児外科を説明するときによく使用される「赤ちゃんは大人のミニチュアではない」という言葉通り、こどものからだはおとなのように完成したものではなく、肺・腎臓・肝臓など身体のあらゆる臓器が発育の途中にあり機能や調節機構が未熟です。また身体だけでなく、精神的・心理的にも発育の途上にあります。治療の対象となる部位は全身におよび、脳、心臓、骨以外のほとんどの臓器を扱いますが、成人領域とは病態の異なる疾患であることが多いため、治療方法が異なることも特徴です。これら成長を考え合わせた小児の特性や、小児の外科疾患の特徴についての十分な知識と経験を持って診療にあたることを目的とした科が小児外科です。
詳細情報
治療方針
日本小児外科学会は、「小児外科専門医」とは「子どもを安心して預けることができる外科医」としています。小児特有の生理状態や未熟な臓器機能に配慮した周術期管理、手術時期の年齢の考慮、術後の長い成長・発育に耐えられる手術法、より緻密で正確な手術手技が求められます。
将来を担うこども達の生命を守ることを大前提に、身体的・精神的な成長においても出来る限りハンディキャップを残さないため、確実で安全な治療を心がけています。
部位・項目 | 小児外科で治療する主な病気 |
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顔面・頚部 | 耳前瘻孔、副耳、正中頚嚢胞、側頚瘻、梨状窩瘻 |
胸部・呼吸器 | 横隔膜ヘルニア、嚢胞性肺疾患、肺分画症、先天性気管狭窄症、気管・気管支軟化症、漏斗胸、異物誤嚥 |
消化管 | 食道閉鎖症、食道狭窄症、胃食道逆流症、食道アカラシア、異物誤飲、肥厚性幽門狭窄症、胃軸捻転、消化管穿孔、腸閉鎖症、腸回転異常症、腸重積症、メッケル憩室、腸管重複症、腸閉塞、ヒルシュスプルング病、急性虫垂炎、壊死性腸炎、胎便性腹膜炎、腸管ポリープ、直腸肛門奇形、肛門周囲膿瘍、乳児痔瘻、裂肛、痔核、直腸・肛門脱 |
肝・胆・膵・脾 | 胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、胆石、膵嚢胞、遊走脾捻転 |
腹壁・臍 | 臍ヘルニア、白線ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、臍肉芽腫、尿膜管遺残、卵黄腸管遺残 |
鼠径部・陰嚢 | 鼠径ヘルニア、陰嚢水腫・精索水腫・ヌック水腫 |
泌尿生殖器 | 膀胱尿管逆流症、水腎・水尿管症、尿道下裂、停留精巣、精巣捻転症、包茎 |
体表 | 皮膚・皮下腫瘍、リンパ節腫脹 |
腫瘍 | 神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、胚細胞腫瘍、横紋筋肉腫、脂肪芽腫、リンパ管腫 |
外傷 | 肝損傷、膵損傷、脾損傷、腎損傷、消化管損傷 |
診療実績
診療内約:2016年10月1日~2023年12月31日 小児外科手術症例 計546例
ヘルニア・体表 | 鼠径ヘルニア関連手術 | 207 | |
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臍ヘルニア手術 | 23 | ||
白線ヘルニア手術 | 2 | ||
皮下・皮膚腫瘍摘出術 | 11 | ||
腹部・消化管 | 虫垂炎関連手術 | 109 | |
腸重積関連手術 | 14 | ||
肥厚性幽門狭窄症手術 | 5 | ||
腸回転異常症手術 | 2 | ||
胃瘻造設術 | 4 | ||
総胆管拡張症手術 | 1 | ||
胆管外瘻造設術 | 1 | メッケル憩室関連手術 | 2 | 尿膜管摘出術 | 4 |
臍腸管摘出術 | 1 | ||
痔瘻根治術 | 1 | ||
直腸脱手術 | 1 | ||
直腸ポリープ切除術 | 1 | ||
泌尿器 | 停留精巣関連手術 | 78 | |
包茎手術 | 17 | ||
膀胱尿管逆流手術 | 12 | ||
腎盂形成手術 | 4 | ||
腎瘻造設術 | 1 | ||
外尿道腫瘍摘出術 | 1 | ||
頚部 | 甲状舌管嚢胞摘出術 | 2 | |
頚瘻頚嚢胞摘出術 | 4 | ||
耳瘻管摘出術 | 3 | ||
胸部・呼吸器 | 肺中葉切除術 | 1 | |
その他処置 | リンパ節生検 | 21 | |
食道・胃内異物摘出術 | 5 | ||
中心静脈カテーテル設置術 | 3 | ||
リンパ管腫治療 | 2 | ||
胸腔ドレナージ術 | 2 | ||
筋生検 | 1 | ||
計546 |
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小児外科治療は、小児特有の生理状態や未熟な臓器機能に配慮した周術期管理、手術時期の年齢の考慮、術後の長い成長・発育に耐えられる手術法、より緻密で正確な手術手技が求められます。手術治療が必要と思われる患児は当院にご紹介ください。日本小児外科学会の云う小児外科専門医=子どもを安心して預けることができる外科医として、最善を尽くします。