日本赤十字社 高松赤十字病院

腎不全外科

スタッフ紹介

スタッフ名 専門分野 認定医・専門医等

山中 正人

腎不全外科部長(兼)腎臓病総合医療センター長(兼)泌尿器科部長 山中 正人
腎臓病学
泌尿器科学
日本移植学会認定医
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本腎臓学会専門医・指導医
日本腹膜透析学会認定医
腎代替療法専門指導士
徳島大学臨床教授

腎不全外科のご案内

特色

当院泌尿器科では昭和51年に血液透析を、昭和56年に腹膜透析(PD)を開始しました。昭和60年に腎センターを発足、昭和63年当院第1例目の生体腎移植を施行、平成8年慢性腎臓病教室を開始し、これまで尿潜血、尿蛋白早期より腎不全、腎移植を含めた腎代替療法まで腎疾患全般にわたり取り組んでまいりました。その結果、平成24年4月より腎不全外科(腎臓外科(臓器移植))が開設されました。引き続き、当院泌尿器科と協力して全国レベルの腎臓病治療を提供できるよう努めてまいりますのでよろしくお願いします。
令和5年4月より完全予約制(他院他科からの紹介患者さんを含む)でCKD(慢性腎臓病)外来、PD・腎移植外来、腎代替療法選択外来(予約のみ)は腎臓病総合医療センター内で行っています。

CKD外来 月曜日・火曜日 午前
PD・腎移植外来 月曜日・木曜日 午後
腎代替療法選択外来 火曜日 午後

高松赤十字病院腎不全医療沿革

昭和51年 血液透析開始
昭和52年 透析従事者研修実施施設認定
昭和56年 腹膜透析開始
昭和60年 腎センター発足(透析ベット30床と入院病床26床)
昭和63年 当院 第1例目の生体腎移植、透析ベット36床に増床。
香川県透析医会発足。
平成8年 腎臓病教室開始
平成20年 腎センターと南3病棟の看護単位併合
平成21年 CKD対策委員会発足
平成24年 腎臓外科(臓器移植)開設、院内移植コーディネーター委員会
平成30年 腎センターを腎臓病総合医療センターに改編

学会認定施設等

  • 日本腎臓学会専門医制度研修施設
  • 日本透析医学会専門医制度に基づく認定施設
  • 日本臓器移植ネットワークによる腎臓移植認定施設
  • 日本腎臓学会認定 腎臓病療養指導士研修施設

対象疾患

次のような疾患に対し治療を行っています。

尿潜血、尿蛋白

健康診断等で指摘されますが、腎炎を始め、尿路悪性腫瘍、尿路結石等精査を行い当院泌尿器科紹介を含め適切な加療を提供させていただきます(CKD外来)。

慢性腎臓病(CKD)

当院では次図のようにCKD院内体制を構築しており、チーム医療で対応させていただきます(CKD外来)。

CKD院内体制

腎不全

急性腎不全、慢性腎不全に対し精査加療が可能です。特に、慢性腎不全に対し腎機能温存治療および透析、腎移植を含めた腎代替療法を行っており、患者さんの社会・家族背景を含めた生活の質が維持できる治療を推進しています。当科では腹膜透析を1981年より開始し、現在、残腎機能温存および患者さんの生命予後向上を目的とし、積極的に腹膜透析を推進しております。腹膜透析施行症例はこれまで400例を超えており、医師および看護師等は腹膜透析導入および合併症治療等経験豊かです。腎移植については、1988年より開始し、これまで59例に施行しました。32例は生体腎移植(血液型不適合生体腎移植9例、透析未施行腎移植1例)で、27例は献腎移植(心停止下19例、脳死下8例)でした(PD・腎移植外来、腎代替療法選択外来)。

透析開始症例

透析開始症例

当院CKD対策委員会での取り組みにより透析緊急導入は激減しました。2021年の緊急透析導入2例は、他施設からの当科晩期紹介例です。

透析導入716例(PD191例、HD525例)

透析導入

透析治療選択に際し、当科では在宅透析である腹膜透析選択症例が26.7%(全国平均では5-7%)と高比率であることが当科の特徴です。

年次別当科腎移植症例(59例)

年次別当科腎移植症例

副甲状腺機能亢進症

当科は全国腎性副甲状腺機能亢進症(2HPT)に対するPTX(副甲状腺手術)研究会に所属しています。腎不全症例に合併する2HPTに対し2006年に日本透析医学会より治療ガイドラインが提示されました。2HPTに対し十分な治療を行うことにより患者さんの生命予後の改善が得られます。2007年にカルシウム受容体作動薬が本邦で発売され手術症例は全国的に激減しました。2011年は全国で411例の手術が行われたのみでした。当科ではこれまで60例を超えるPTXを施行しており、最近では年間数例のPTXを施行するのみですが、手術の対応は可能です。

バスキュラーアクセストラブル

バスキュラーアクセスは維持血液透析患者さんの命綱です。月・火・木のCKD外来、PD・腎移植外来、腎代替療法選択外来で診察および超音波専門検査技師を中心に精査加療をさせていただきます。経皮的内シャント血管拡張術(PTA)は放射線被曝を極力減少させる目的もあり、初回治療以外では超音波ガイド下でのシャントPTAを原則とし木曜日の午前に行っています。

手術症例

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
バスキュラーアクセス造設術(自己血管) 26 40 30 44 35
バスキュラーアクセス造設術(人工血管) 8 - - - -
長期留置型カフ付き
血液透析カテーテル留置術
98 109 112 90 95
内シャントPTA 276 281 234 247 308
腹膜透析カテーテル留置術 9 18 20 17 20
生体腎移植 1 0 0 0 1
脳死下腎移植 1 0 0 1 1
経皮的腎生検 3 3 3 3 7
副甲状腺手術 1 2 3 2 1

バスキュラーアクセス人工血管造設は診療報酬手術改定により症例数把握が困難となりました。
腎移植はCOVID19感染流行のため、献腎移植登録症例が感染収束まで移植を待ちたい症例が一時増加しましたが、2023年より予定生体腎移植症例は増加傾向になっています。

透析症例

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
血液透析(透析室) 333 363 361 339 390
血液透析(集中治療病棟) 64 56 61 62 65
腹膜透析 66 54 61 54 61
持続血液濾過透析 41 35 32 30 34
エンドトキシン吸着 9 7 9 4 5
血漿交換 2 9 10 7 9
腹水濾過再静注療法 7 7 7 15 7
血球成分除去療法 5 1 0 7 4

腎臓病教室について

当科では、尿潜血・蛋白尿、CKD、腎移植と腎疾患に関して一貫した治療を行っています。
慢性腎炎等蛋白尿増加症例については、腎生検を施行し、的確な診断のもとに、薬物療法、食事療法を行っています。特に、慢性の腎疾患は、患者さん自身の管理、家族の援助が必要になってきます。それ故に、医療スタッフ(医師、看護師、薬剤師、栄養士)と患者さんおよび家族の方々と勉強会などを行っています。当科以外の患者さんも受け付けています。一度ご参加ください。
教室の詳細はこちらをご覧ください。

お問い合わせ、腎臓病教室のお申込みは泌尿器外来
17:00まで
087-831-7101内線(2220)

地域の先生方へ

香川県は男性女性ともに健康寿命が改善傾向です。引き続き、地域連携施設の皆様方とCKD対策に関するさらなる取り組みにより少しでも地域の患者さんの健康に寄与することができればこの上ない喜びですのでCKD早期発見早期治療に対し御協力の程よろしくお願いします。また、香川県内には約2,500名の透析患者さんがおられます。そのうち、100名を超える患者さんが腎移植を希望されています。当院には香川県知事より委嘱された院内ドナーコーディネーターが在職しておりますので臓器移植について不明なところがございましたらご相談ください。