アレルギーの血液検査は、特異的IgE抗体検査と呼ばれる抗原抗体反応を利用した検査が行われています。近年では、検査精度を高めたアレルゲンコンポーネント検査が普及しつつあります。
今回のコラムでは、この検査方法についてもう少しだけ詳しく紹介します。
特異的IgE抗体検査は、原料から抽出したアレルゲンを抗原として使用した抗原抗体反応です。アレルゲンと血中の抗体との反応性を数値で表し、その数値の大きさでアレルギーの可能性を判断しています。しかし、この検査で使用するアレルゲンは抗原性を有するタンパク質を複数有しているため、特異度が低くなるなど検査精度に影響を与えることがあります。
そこで近年では、抗原性を有する個々のタンパク質であるアレルゲンコンポーネントを使用した検査が普及しつつあります。これにより精度の高い診断が可能となりました。特に穀類や豆類、ナッツ類の検査では有用性が高く、小麦(Tria19)やピーナッツ(Arah2)などは日常診療でも実施されてます。
アレルギーの検査は上記の他にも負荷試験や皮膚テストなどの検査もありますが、血液検査は比較的簡便に測定できることから、検査に有用なアレルゲンコンポーネントの開発が進んでいます。現在、通常診療(保険適用)で使用できる検査は10項目程度(表1)です。今後の増加が期待されています。