外用薬は、ベースとなる成分(基剤)に有効成分(主薬)を混ぜ合わせて作られています。
基剤は主薬を溶解・分散し、皮膚に浸透させる役割があります。基剤には油脂性基剤、水溶性基剤、乳剤性基剤があります。基剤の違いによって、べたつきなどの使用感、皮膚への刺激性、皮膚への浸透しやすさなどが異なります。症状や部位に応じて使い分けることがあります。
軟 膏
●主にワセリンなどの油脂性基剤をベースとしています
●皮膚への刺激性は弱く、乳幼児や高齢者などの肌の弱い方にも使用できます
●カサカサと乾燥した部位や、ジュクジュクした部位、傷がある部位にも使用できます
●保湿力が高く、皮膚を保護する効果があります
●べたつき感が強く、使いにくく感じることもあります
*商品名に「軟膏」と入っているものでも、実際はクリーム剤に分類されるものもあります
クリーム
●水と油を混ぜた乳剤性基剤をベースとしています
●水分を含むため、伸びがよく、べたつきにくいです
●軟膏に比べると皮膚への刺激性が強く、ジュクジュクした部位、傷がある部位には使用できません(*一部、褥瘡などの創傷部に使用する薬剤もあります)
●水で簡単に洗い流せます(汗でも流れやすいです)
ローション
●水と油を混ぜた乳剤性基剤をベースとし、クリームよりも水分量が多いのが特徴です
●水分を含むため、伸びがよく、べたつきにくいです
●軟膏やクリームが塗りにくい、頭部などの毛のある部分に適しています
●乾きやすいため、汗をかいたり、蒸れやすい部分にも適しています
●軟膏に比べると皮膚への刺激性が強く、ジュクジュクした部位、傷がある部位には使用できません
●水で簡単に洗い流せます(汗でも流れやすいです