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高松赤十字病院の皮膚科治療~皮膚科新部長 眞部医師について~


~患者さんの声に耳を傾け思いに寄り添う治療を~

研修医時代から当院にゆかりが深く今年4月に皮膚科部長に就任した眞部医師。
地元出身の皮膚科医として患者さんと地域にかける思いを聞きました。

皮膚科の外科治療を学び当院で道を決めた研修医時代

私は香川出身で、2005年に徳島大学医学部を卒業。ちょうどその前年から全国で初期臨床研修制度が始まったばかりで、私が研修を受けたのはまさにここ、高松赤十字病院でした。

当時の皮膚科部長はこの道20年のベテランで、手術も積極的にこなす先生。私は内科系にすすむか外科系にすすむか迷っていたんですが、部長の仕事ぶりを間近に見て皮膚科で外科治療ができることに興味を持ち、「内科・外科両者の目線で学ぶことができ、幅広い視点で患者さんと向き合える」と感じて進路を決定。当院での研修経験が、私に道を示してくれたんです。学生目線でしか現場を知らない医師の卵が、他科の治療でどういうことをしているかを実際に学べるのは、研修制度のいいところだと実感しました。

その後は岡山大学の皮膚科に入局し、岡山の関連病院や三豊総合病院をはじめとする関連病院をいくつか経験して、2021年7月に当院へ副部長として着任、その直後から責任ある業務をいろいろと経験する機会をいただき、今年4月に皮膚科部長を拝命しました。さまざまな思い出と学び、そしてご縁を得た当院で、患者さんや地域への恩返しと思って、精一杯頑張りたいと思いを新たにしています。

院内連携と急性期治療が強み後進の育成にも力を入れたい

当院の皮膚科は、慢性期の増悪から急性期の救急治療まで、広く受け入れる体制が整っています。特に救急治療は常勤医4人の誰かが必ず対応できるよう待機していて、急性期医療を提供する地域の拠点としての強みを発揮していると思います。


総合病院として院内連携も確立しているので、形成外科医をはじめとする他科との連携を活かして、患者さんをチームで支えられるよう努めています。もちろん皮膚科としても、各診療科の先生方にできるかぎりの協力体制で応えたいですね。

現在は若手医師が多いこともあって、カンファレンスでは質疑応答の時間をしっかりとって、わからないことがあれば気軽に何でも相談できる環境を整えていますが、地域全体でみると皮膚科医はまだまだ不足していると感じるのも事実。研修医を受け入れる教育機関として、若い医師たちにはいずれ何科に進むとしても皮膚科の現場を学んでおいてほしいと思うし、私がまさにこの病院で育てていただいたように、よい研修を受けていただける環境をつくりたいと心がけています。

患者さんの思いを汲んでその人に合った治療を提案

皮膚科というと、一般的には「身近な皮膚トラブル」をイメージする人が少なくないかもしれませんね。皮膚科医の中でも、全身麻酔下で行うような外科手術を専門とする人はあまり多くありませんが、私はその一人です。皮膚悪性腫瘍指導専門医の認定を受け、手術や抗がん剤治療が必要な患者さんが専門としておりますが、皮膚科領域はどの分野も興味深く学びつづけており、幅広い疾患の患者さんに対応しています。

その中で大切にしているのは、常に適切な治療を提供できるよう学び続けることと、患者さんの本音に耳を傾けること。目の前の患者さんが最も困っていることは何か、ご本人がどうしたいのか、一人一人の思いをきちんと聞き取り、生の声に基づいた治療を提案するよう心掛けたいと常に思っています。


眞部 恵子(まなべけいこ)
皮膚科部長
皮膚悪性腫瘍指導専門医

オフは車でドライブを楽しんだり、温泉でゆったり体を休めたり。美術館巡りも好きで、お気に入りは大原美術館。なかなか時間がとれないが、県外の有名美術館も訪ねてみたいと思っている。


表紙

なんがでっきょんな

vol.70

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

Take Free!

Columnvol.70の表紙のひと

1年目初期研修医

4月より新しく加わった10人の研修医です。今回の表紙は当院の目の前に広がる中央公園にて撮影しました。当日はよく晴れて、少し汗ばむ陽気でしたが若さあふれる元気いっぱいの一枚になりました。 まだまだ不慣れなこともあるとは思いますが、どうぞ温かい目で成長を見守ってください。