先日の日赤りぼんサロン(毎月1回開催、患者さんとご家族の語り合いの会)では、何人かの参加者から、がんと診断されてからの経過や生活、考えておられることなどをゆっくりお聞きすることができました。「それぞれの方の、がんサバイバーとしての体験ですね。」との感想がスタッフから出ました。
1.「がんサバイバー」とは、がんと向き合い、がんを経験しながら生きている人たちです。
「サバイバー」というとがん治療を終えた方をイメージするかも知れませんが、がんと診断されたばかりの方や、治療中や経過観察中の方も含め、がんを経験したことのある全ての人をさします。「がんサバイバー」は日本に約700万人いると推計されています。
医療の進歩によりがんにかかっても長く生きられるようになった一方、治療に伴う副作用、再発への恐れ、仕事のこと、治療費など、身体的精神的社会的にさまざまな課題に直面すると言われています。
2.がんとの向き合い方や体験は、その方その方で違うと感じます。
日赤りぼんサロンでは、治療の効果がいつまで続くのかとの不安や、原因不明の症状が続く苦しさやそれによる心への影響、家族との関係や家族への思い、病気に関係しない活動の大切さ、終活、など様々な体験について伺いました。
病状や症状が大変な中でも、1人でじっとしているより、何か行動したほうがいいと考え、日赤りぼんサロンに参加されたそうです。
皆さんそれぞれの体験の中で、いろいろなことに折り合いを付けながら、家庭生活や社会生活を続けておられるのだと改めて感じました。
「がんサバイバー」への必要な支援は多岐に渡り、医療だけでなく社会全体の課題と言われています。病院スタッフやがん相談支援センターも、がんと向き合いながら生きるための、お手伝いが少しでもできればと思っています。