検査部医師 福長 遥香
当院では職員に向けて、2021年12月末の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を控えた11月下旬、2回目の抗体測定を実施しました。ワクチン2回接種者かつ、抗体測定を2回行った952名の解析を行いましたのでご報告いたします。
①抗体価は前回同様、若年者の中央値※が一番高く、加齢とともに低い値となっていました。全体の中央値は、540U/mlでした。
→前回は男女差を認め、女性の方が高値でしたが、今回は男女差は認めませんでした。
②前回値(ワクチン2回目接種から約1か月後の抗体価)と比較してどの程度減少しているのかを、『前回比=今回値/前回値(%)』として算出すると、全体としては前回値の約40%ほどに減少していました。
→年代別および男女別に比較すると、抗体価は年代が高いほど低い傾向にありましたが、前回比には年代による系統だった差はなく、40代の前回比が他の年代と比較して低い傾向にありました。
③抗体測定と同時に再度任意アンケートを行い、生活習慣病やアレルギーの有無、飲酒や喫煙や内服薬の有無、勤務体系などを調査し、抗体価との関連性を検討しました。
Ⅰ:ワクチン2回接種後約1か月後測定値(抗体上昇)に関連がみられた因子
…常飲酒者(↓)、免疫抑制剤内服者(↓)、若年者(↑)、女性(↑)、ワクチン接種時発熱者(↑)
Ⅱ:ワクチン初回接種から約8か月後の測定値(抗体減少)に関連がみられた因子
…アレルギー疾患あり(↓)
【↓:低い傾向、↑:高い傾向】