「他の人はどんな気持ちでいるのか知りたい」「同じ病気で治療を受けている人の話を聞きたい」という声をよくお聞きします。
「ピア・サポート」という言葉をご存じですか。「ピア」は仲間、「ピア・サポート」とは同じ問題や体験を持つ仲間同士の支え合いです。仲間の体験を聞き自分自身の経験と照らし合わせることで、生活や治療との向き合い方を考えることにつながると言われています。
高松赤十字病院では、患者さんとご家族の「語り合い」の場として、平成28年3月から毎月1回「日赤りぼんサロン」を開催しています。(現在はコロナ感染症のため休止中)
サロンの様子を少しご紹介します。
・よく話題になるのは、「病名を聞き気持ちの整理ができないうちに検査や治療が決まり、敷かれたレールに乗るしかなかったこと」「常に再発や転移の不安は消えず、CTなどの検査の前は特に不安が高まること」、他には健康にいい食事などです。
・治療の副作用への対応、主治医との関わり方などについては、先輩患者さんがアドバイスなさることが多いです。
・「家族として何ができるのか」との問いに対しては、患者さんご家族それぞれの立場での思い、相手への気遣いや期待することなど、 体験談を交えて話し合われています。
・時には、「家族の病状が重くてとても辛い」というお話を皆で静かにお聞きすることもあります。
参加された方は、「一人ではない、仲間がいると思える」「やはり同じ体験をしたもの同士でなければわかり合えない」とよくおっしゃっています。私にとっては、患者さんやご家族の体験をじかにお聞きできる貴重な機会であり、毎回刺激を頂いています。
再開の際には、早めにお知らせしたいと思っています。その際はお気軽にお立ち寄りください。