さぬきの健康と元気をサポートする高松日赤だより

なんがでっきょんな

くすりのはてな

暑い時期に特に注意が必要な「脱水症」について


脱水症ってどんな病気?

私たちの身体の約60% は体液です。体液とは、水分と電解質で構成されています。この体液が不足することによって、日常活動や生命維持活動に障害が生じた状態のことを脱水症と呼びます。体液の失われ方には①水分と電解質が失われる場合(例:汗、嘔吐、下痢など)と②水分のみが失われる場合(例:呼吸や皮膚からの蒸発)の2種類があります。①に対しては、水分と電解質の両方を補給しなければ、体液のバランスが崩れてしまい、脱水症となります。また、②では1日に約900m Lもの水分が失われていますので、こまめな水分の補給を行わないと脱水症となることがあります。

どういう人が脱水症になりやすい?

高齢者と小児は脱水症になりやすいため特に注意が必 要です。高齢の方は、体液量が少ないため、普段より多く汗をかくだけでも脱水症の原因となります。また、高齢になるとのどの渇きに気づきにくくなったり、トイレへの移動が億劫に感じたりして、水分をあまり摂らなくなってしまう場合があります。周囲にいる方は意識的に水分摂取をするように声をかけるのがよいでしょう。小児は代謝が活発なため、大人が気づかないうちにたくさんの水分を失っている場合があります。たくさん汗をかいた後や、元気がない、ぐったり しているときには注意が必要です。

脱水症の予防方法・治療方法は?

のどが渇く前に水をこまめに飲みましょう。家で汗をあま りかかない状態であれば、お水やお茶での水分摂取で十分 です(アルコールやコーヒーは利尿作用があるため、脱水症予防には向きません)。汗をかいたり、のどが渇いたと感じたりした時には、経口補水液(※後述)が適しています。重度の脱水症の場合や、経口摂取ができない場合、重度の下痢などで急速な治療が必要な場合には病院での点滴が必要と なります。また、エアコンや扇風機を活用して、高温多湿を避け、脱水症になりにくい環境づくりをすることも重要です。

経口補水液ってよく聞くけど、どういう飲み物?

水に塩分と糖分が配合された飲み物です。スポーツドリ ンクと似ていますが、経口補水液の方が電解質が多く糖分 が少ないため、水分と電解質の吸収が速く、軽症の脱水症に適しています。お店で購入することもできますし、ご自宅でも簡単に作ることができます。水1Lに砂糖20~40g、塩3gを混ぜ、お好みでレモン水を追加し味を調節してください。塩分と糖分を含むため、腎臓病、糖尿病、心臓病などがある方は、経口補水液を飲んでもよいか医師と相談するの がよいでしょう。


表紙

なんがでっきょんな

vol.70

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

Take Free!

Columnvol.70の表紙のひと

1年目初期研修医

4月より新しく加わった10人の研修医です。今回の表紙は当院の目の前に広がる中央公園にて撮影しました。当日はよく晴れて、少し汗ばむ陽気でしたが若さあふれる元気いっぱいの一枚になりました。 まだまだ不慣れなこともあるとは思いますが、どうぞ温かい目で成長を見守ってください。