4月から村井由紀子看護部長が、新しく副院長を兼任することになりました。
思い新たにこれからの看護を見つめる村井副院長の下、536人の看護師をはじめ助産師、保健師、保育士、介護福祉士からクラークまで、多職種637人が一丸で、患者さんと地域のために頑張っています。
(写真右より)
看護副部長 松本 登紀子・看護副部長 松原 由美・副院長 兼 看護部長 村井 由紀子・看護副部長 林 美紀・看護副部長 大西 順子
より地域に信頼される看護を目指します!
~副院長兼看護部長 村井由紀子よりごあいさつ~
副院長と看護部長の兼務スタイルは、各地で増えてきています。こうした流れを踏まえて、自分が何を求められているかを自問する日々。看護部長として「看護部をどう支えるか」を考えてきましたが、副院長としては、チーム医療の中で看護が果たす役割をもっと大局的に見る必要があるでしょう。医師との連携をはじめ、看護部だけでなく多職種の現場の声をよりスムーズに上に届ける体制整備を進めたい。一人でできることではありません。看護を重視してくれているという期待の下、新院長のアクティブな現場主義をしっかり共有して、人を育て引っ張っていくつもりです。
「地域に信頼される病院であるために」という理念は、一貫して変わりません。110年以上の伝統を踏まえ、地域から「看護」そのものを信頼される病院でありたい。院内にとどまらず地域全体に視野を広げる看護部の取り組みは、ある程度定着してきた手応えもあります。これまで以上に地域と連携し、地域全体が健やかであるよう、ともに歩んでいきたいと思っています。
看護部の多彩な活動 院内外で活躍中!
院内看護
当院では、患者さんの入院から退院まで責任を持つ受け持ち看護師を、固定のチームリーダーやメンバーがサポートする看護方式が中心。平日の日勤帯は先輩とペアを組んで看護に当たっています。
各診療科と連携した病棟看護、安全な医療・看護を支える手術のサポート、早期・的確な診療を目指し専門医と深く連携する救急外来など、院内でも業務は実に多岐にわたります。
災害看護
赤十字組織の一員として、災害救護活動は当院の重要な使命の一つです。災害発生直後から対応できる体制を整えているほか、1996年に災害拠点病院に指定され、傷病者の受け入れや災害医療派遣チームDMATの派遣にも対応出来る構えです。
赤十字救護班やDMATにおいて、看護師は重要なメンバーの一人。DMAT隊員の看護師は現在16人、NBC災害テロ対策研修やこころのケア指導者研修など、災害に関連する研修の修了者も在籍しています。
自己研鑽
日本看護協会が認定する専門・認定看護師は、専門性の高い知識と技術を持つと認められた看護師のこと。当院は認定看護師数では全国の赤十字病院でもトップクラス。特定行為研修指定病院にも認定されており、専門的・自律的な看護を学ぶ体制が充実。働きながら資格取得に挑む人が多く、スキルアップに意欲的な風土があります。
【高松赤十字病院で活躍中の専門・認定看護師】
●母性看護専門看護師 ●がん看護専門看護師 ●がん化学療法看護認定看護師 ●感染管理認定看護師 ●緩和ケア認定看護師 ●手術看護認定看護師 ●救急看護認定看護師 ●集中ケア認定看護師 ●皮膚・排泄ケア認定看護師 ●慢性呼吸器疾患看護認定看護師 ●糖尿病看護認定看護師 ●乳がん看護認定看護師 ●認知症看護認定看護師 ●摂食嚥下障害看護認定看護師 ●慢性心不全看護認定看護師 ●がん放射線療法看護認定看護師 ●新生児集中ケア認定看護師看護師
看護は優しくて当たり前、寄り添いながら異常を察知する力が大切です。最初に担当した特定行為の患者さんが、今は元気になられて外来でお会いすることも。「あの時は宮瀬さんでよかったよ」と言われた時は、私たちの仕事が医師の仕事のタスクシフトだけではない、何かの助けになっているのかなと思えてうれしかった。長年の経験を経て初めて実感できるようになったことが、本当にたくさんある日々です。
看護師長 宮瀬 貴子
講演活動
月1回は院内でミニ講座を開催。要望に応じて随時開催する院外出前講座は、地域の訪問看護ステーションやコミュニティセンターをはじめ企業や学校などさまざまな場所を対象に、テーマや内容も柔軟に対応。より高いスキルを持つ専門・認定看護師による講演活動も盛んです。いずれも病院のリソースを発信し、患者さんや地域と共有する取り組みとして、一定の定着をみています。
退院指導
退院して自宅や他の病院に移り、環境が変わる患者さんには、不安がつきもの。自宅での暮らしや在宅看護に対するサポートとともに、他院に移る時に看護力をどう維持するかが重要で、当院では他院と専門知識や意見などを交換する場を設け、設備を生かした新人教育連携も行っています。患者さんが退院後も安心して過ごせるために、医師の地域連携ネットワークと同じような関係を、いかに看護の場でも築いていくかが課題です。 心不全カンファレンスで多職種との調整役を担うほか、退院後の在宅訪問で、患者さんの思いや生活環境を踏まえた心不全指導を行っています。心に残っているのは、心不全指導に興味のない患者さんを担当した時のこと。諦めずにかかわり続けた結果、数年経過した今も心不全手帳を書き続けてくれるまでになりました。心疾患を持つ方も安定して暮らせるよう、これからも心からサポートしていきます。 慢性心不全看護認定看護師 岡田 博子
今後の展望
●看護外来
専門・認定看護師をはじめ高い知識を持つ看護師などが直接ご相談を受けて療養生活をサポートする窓口を今まで以上に充実させ、より高度な看護を現場で実践できるシステムづくりを目指しています。
●ラピッドレスポンス
重篤な急変を起こす患者さんは数時間前に異常のサインを出すといわれ、その時点で気づいて介入すれば急変を防げるのではないかという、医療安全システムの一環です。主治医を中核に、特定行為研修を修了した看護師などが迅速に現場で対応する「メディカルコンサルテーションチーム」を確立して対応します。