もしも、がんと言われたら
がん相談支援センター
専従看護師長 穴吹 いづみ
「一生のうちに、二人に一人ががんにかかる」と言われています。「万が一じゃなく二分の一」というCMもありました。
でも、やはり「がん」という病名は、特別で衝撃的なものだと思います。
⒈ がんと告げられたら
体験した患者さんからは、次のようなお話をよくお聞きします。
•病名を聞いたら頭が真っ白になって、その後の説明は全く覚えていない、どうやって家に帰ったかも覚えていない
•どうして自分ががんになったのか、何が悪かったのかわからない
•病気のことや治療のことなど、知識がなくてわからないことばかり
•検査や手術の予定がどんどん決まり、言われるままに受けるのが精一杯だった
「二人に一人」と知っていても、自分のこととなると話は違います。もし私が今、がんと告げられても、治るのか、いつまで生きられるのか、どんな治療をするのか、家族にどう伝えるか、仕事や家事はできるのかなど、次々に頭に浮かび、平静ではいられないと思います。
ですから皆さんが、「わからないことばかり」「何から考えたらいいかわからない」のは、当たり前のことです。気持ちが落ち込む、涙が止まらない、間違いではないかと思うことも、多くの方が体験するごく自然な反応です。
⒉ 無理に一人でがんばったり、平静を装ったりする必要はありません
心配をかけたくないと思いためらうかも知れませんが、つらい気持ちや心配事を、家族や親しい友人に話してみてください。少し気持ちが楽になるかも知れません。思い切り泣くのもいいと思います。
身近な人に話すのが難しいときは、がん相談支援センターでもお話をお聞きします。また、考えを整理するお手伝いをし、治療や生活についての質問や相談に対応します。
医師や看護師などの医療スタッフにも、わからないことは遠慮なくお聞きください。