症状がない今だからこそ「がん検診」
がん相談支援センター
専従看護師長 穴吹 いづみ
今号より、がんに関するさまざまな情報をわかりやすく皆さまへお届けしていきます。どうぞよろしくお願い致します。
第1回は、がん検診についてです。国が「効果がある」(検診により早期発見でき、治療で死亡率が低下する)として定めているのは、胃・子宮頚部・乳房・肺・大腸がん検診の5つです。
対象の方には、毎年お知らせが届くと思いますが、皆さん受けていますか?日本のがん検診受診率は、欧米などよりかなり低くほぼ40%台です。
⒈ 無症状のうちに定期的に検診を受け、早期発見、治療につなげましょう。
早期のがんは全く症状がないのが普通です。症状に気づいて受診した場合は、進行した状態で見つかる場合が多くなります。
早期のがんは、直せる可能性が非常に高く、しかも軽い治療ですむことが多いです。例えば、早期の胃がんの内視鏡手術の場合、入院は1週間程度、治療後の食生活への影響もほとんどありません。一方進行がんの場合は、負担の大きい治療が必要となり、治すことができない場合もあります。
⒉ 他の病気で通院中であっても、検診は必要です。
「心臓病で通院中だから、検診を受けなくても大丈夫。」と言う方がいますが、そうではありません。主治医は、主に今かかっている病気について、治療をしています。
⒊ 気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
国が定めたがん検診は、はじめに書いた5種類です。その他の臓器に関しては症状があれば、早めに受診しましょう。
※自治体によっては、前立腺がんなどの検診を行っている場合もあります。