今回は、毎年冬になると流行するインフルエンザの薬についてのお話です。
高松赤十字病院 薬剤部
インフルエンザかも!すぐに病院に行って薬をもらうべき?
インフルエンザを発症後すぐに検査を受けても、陽性とならない場合がありますので、6時間以上経ってから受診することをお勧めします。発症後48時間以内であれば、インフルエンザの薬の効果が期待できますので、慌てず様子をみましょう。また、インフルエンザは感染力が高いため、感染した可能性がある場合はマスクをつけて周りの人に感染を拡げないよう気を付けましょう。
インフルエンザの薬にはどのようなものがありますか?
インフルエンザウイルスに対する薬には、飲み薬、吸入薬、点滴の薬があります。その中から、患者さんに合うものを選んで処方します。どれも、インフルエンザウイルスが増えるのを抑える薬ですので、ウイルスが増え切ってからでは効果が期待できません。そのため、処方されたらすぐに使用してください。また、1回の使用で終了する薬と、5日間継続して使用する必要がある薬とがあります。5日間で処方された場合には、途中で熱が下がっても必ず飲み切るようにしてください。これは、熱が下がってもウイルスの放出は続いており、周りの人へ感染を拡げる危険があるからです。また、薬を中断してしまうと、耐性ウイルス(薬が効きにくいウイルス)の増殖にもつながる危険があります。
インフルエンザの予防のために薬は使えるの?
インフルエンザの薬の一部は、予防のために使用できる場合があります。使用できる対象は、①同居人にインフルエンザに感染した方がいること、②感染した場合に重症化する危険性があること、の2つの条件を満たす方のみです。あくまで予防のため、保険は適応されず、自費診療となることも知っておきましょう。
インフルエンザの1番の予防方法は、手洗い・うがいをしたり、マスクをつけたりして、ウイルスが身体へ侵入するのを防ぐことです。また、流行前に予防接種を受けることも有効です。ワクチンには、発症の予防効果もありますが、発症した場合に重症化を防ぐ効果もあります。接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その後約5ヶ月間は効果が持続するため、できるだけ早めに接種しておきましょう。