今回は、ジェネリック医薬品について取り上げます。
高松赤十字病院 薬剤部
ジェネリック医薬品って何?
開発されて最初に発売される薬を新薬(先発医薬品)と言いま す。新薬の特許期間を過ぎると、他のメーカーからも、同じ有効成分で、効き目、品質、安全性が新薬と同等である薬が発売されます。 これが「ジェネリック医薬品」です。新薬が先発医薬品と呼ばれる のに対し、ジェネリック医薬品は後発医薬品とも言われます。
ジェネリック医薬品はどれくらい使われているの?
日本でのジェネリック医薬品の使用率は年々伸びていますが、 2017年度で68.8%と世界の使用率に比べると、まだ低い状況にあります。アメリカやドイツ、イギリスなどでは、日本よりもジェ ネリック医薬品が広く普及しており、2017年の数量ベースでは、 アメリカ92%、ドイツ86%、イギリス77%となっています。
ジェネリック医薬品と新薬に違いはあるの?
ジェネリック医薬品は新薬と同じ有効成分で作られ、効き目や安全性が新薬と同じだと認められてから発売されます。主な違いは❶費用と❷剤形です。
❶開発にかかる期間が新薬と比べて短い分、費用が安くすむため、価格を安くすることができます。ジェネリック医薬品の価格は、 新薬の約3~6割に設定されています。そのため、患者さんの負担を軽くすることができ、さらには国の医療費の節減にもつな がります。
❷ジェネリック医薬品は、新薬と薬の形状、色、味、添加物は異なっていてもよいため、新薬に比べて飲みやすい工夫がされて いる場合があります。例えば、大きくて飲みづらい錠剤を小さくしたり、粉薬をコーティングすることで苦味を少なくしたり、水なしでも飲めるような錠剤にしたり、といった工夫があります。
ジェネリック医薬品にしたい場合はどうしたらいい?
かかりつけの医師、薬剤師にご相談ください。また、言い出しにくい場合でも、自治体や健康保険組合からの配布も増えてきたジェネリック医薬品の「お願いカード」「お願いシール」を、医療機関の受付や、医師・薬剤師と話すときに提示すれば、「ジェネリック医薬品を希望します。」という意思を簡単に伝えることができます。
今後もジェネリック医薬品はどんどん広まっていくでしょう。不安なこと、分からないことがあれば、薬剤師にご相談くださいね。